■ 私たちの考える神棚について
― 神道との関係と、モダン神棚の考え方 ―
はじめに
神棚は単なるインテリアではありません。
日本の暮らしの中で、長く大切にされてきた祈りの場です。
私たちは無垢材でモダン神棚を製作していますが、
宗教的な教義を広める立場ではありません。
この記事では、
・神道と神棚の基本
・スピリチュアルとの違い
・私たちのモダン神棚の立ち位置
を整理してお伝えします
。
■ 神棚とは何か
神棚は、日本古来の神道に基づき 神札(おふだ)を祀るための場所です。
一般的には、
・伊勢神宮のお札
・氏神様のお札
・崇敬神社のお札
をお祀りします。
神棚は「運気を上げる装置」ではなく、
日々の感謝と祈りのための空間です。
神道とスピリチュアルの違い
近年、神棚が
「波動」
「引き寄せ」
「エネルギー」
といったスピリチュアルな文脈で語られることもあります。
しかし本来の神道は、
・自然への敬意
・祖先への感謝
・地域とのつながり
といった、
生活に根ざした信仰です。
私たちは神棚を
スピリチュアルグッズとしてではなく、
暮らしを整える“祈りの場”として考えています。

■ 伝統的な神棚とモダン神棚
伝統的な神棚は、
檜材の宮型が一般的です。
一方で現代住宅は、
・和室がない
・天井が低い
・壁面スペースが限られている
という事情があります。
そこで私たちは、
無垢材の質感を生かしながら
現代の住まいに自然に馴染む形を追求しています。
装飾を控え、
直線の中にわずかな曲線を取り入れる。
主張しすぎないが、静かな存在感がある。
合板やプリント材ではなく、
丸太から製材した無垢材を使う理由は、
・強度がある
・経年変化を楽しめる
・修理ができる
・自然素材としての安心感
があるからです。
使用材はすべて丸太から製材し、
時間をかけて天然乾燥させています。
含水率が安定した材のみを使用することで、
反りや割れのリスクを抑えています。
■ 素材紹介
イオリスペースで主に使用している素材は、 北海道・東北産の胡桃とシナ、クリ、
そして北米産のウォールナットの無垢材。
● クルミ
イオリスペースで一番多く使う素材です。
狂いが少なく粘りがあり、中ぐらいの硬さ、そして温かい手触りが一番の魅力。
木にも温度があり、ざっくり言えば柔らかい木ほど温かく、硬い木ほど冷たく感じます。
クルミ科。落葉高木。高さ20mにもなる。
北海道、四国、九州に自生。樺太にも分布
年輪はやや不明瞭
気乾比重 0,53

● シナ
イオリスペースではクルミについで2番目に多い素材!
やや黄みを帯びた淡い茶色、ライトな印象があり
パイン系の木とよく調和します。
カントリーテイストのインテリアにもグッドです。
シナノキ科。落葉高木。北海道から九州までの各地で見られる。
高さ18m。直径60㎝。。木理は精。比重は0.50。
欧米ではリンデンと呼ばれ、街路樹として親しまれている

● ブラックウォールナット
日本でウォールナットといえばこの木のこと。
アメリカからカナダに分布
日本のクルミと同じクルミ科ですが、
材色がかなり違い深みのある黒褐色
狂いも少なく家具、キャビネット材として最高級といわれます
クルミ科。 比重は0.59、直径1m
軽いわりに強度と粘りがあり、
狂いも少ない。
材は堅硬、強度大、衝撃にも強く、加工性は極めて良好

● クリ
非常に耐候性が強く、昔は線路の枕木に使われた
心材は褐色、辺材はやや褐色を帯びた灰白色。
気乾比重は0.44~0.60(平均値)直径は80cmぐらいまで。
心材の耐久性は極めて高く、日本産材中では最高といえます。
■ 方角や設置について
神棚の設置については、 地域や神社によって考え方が異なる場合があります。
一般的には、
・明るく清潔な場所
・目線より高い位置
・家族が手を合わせやすい場所
が望ましいとされています。
方角よりも大切なのは、
丁寧に祀れる環境であることだと私たちは考えています。
詳細は、各神社へご確認いただくことをおすすめします。
■ 私たちの立場
私たちは神職ではありません。 神事を執り行う立場でもありません。
無垢材家具を長年製作してきた工房として、
・素材の質
・構造の安定性
・長く使える設計
に責任を持って神棚を製作しています。
宗教的なご相談や正式な作法については、
神社へお問い合わせください。
■ 神棚を暮らしの中へ
神棚は特別なものではなく、 日々の暮らしの中にある小さな祈りの場所。
リビングの一角に、
静かに佇む無垢材の棚。
空間を整え、
気持ちを整える。
そのお手伝いができればと考えています。
*この記事を書いた人

創作家具工房イオリスペース 代表 辻 昌生
1989年創業。愛知県の山間地で無垢材のみを使用し、丸太から製材・天然乾燥を経て家具・モダン神棚を製作。
木工歴36年。本記事は実際の制作経験をもとに執筆しています。
詳しい工房の歩みと製作工程はこちら →
【工房紹介ページ 】